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城西大学水田記念図書館
−現状と改善への取り組み− (図書館名誉館長 木村 浩)

1965年、「学問による人間形成」を建学の精神として、ここ埼玉県坂戸市けやき台の地に開学した城西大学は、今年創立43年目を迎えた。 創立者が掲げた人材育成の理念実現にむけての着実な歩みは、現在卒業生6万人、在学生8千人を擁する総合大学に結実し、今なお躍進を続けている。

都心に所在する紀尾井町キャンパスの高い利便性に加え、坂戸キャンパスは「けやき台」の地名からも想像されるように、学舎を取り巻く樹木の四季の彩りと、眼下を流れる高麗川の清流や岸辺の移ろいは、都塵を離れて集う学生や訪れる人々の目を楽しませ、心を癒し、そして明日に向けての限りない精気と活力を与えてくれる。

このように、自然と閑静な環境に恵まれた坂戸キャンパスのほぼ中央部に、本学図書館は位置する。 沿革について若干附言すれば、1978年8月、正式名称「水田記念図書館」は、戦後日本の経済復興に献身し、数期にわたり大蔵大臣を務めた本学創立者・理事長 水田三喜男初代学長の業績を記念して命名され、それまで人文・社会系と自然系の専門学系別図書館ないし学部別図書館として管理されていたものを統合して、総合図書館棟として設立・開館された。 1993年には、収蔵図書の増加とIT化に対応した機能整備を図るべく改装がほどこされた。 以来、大学の基本理念・目的・使命をめぐる熱のこもった改革論議を背景に、とりわけ問われ続けている「教育力」の強化と「人材育成」の理念実現に向けて、大学の中核施設としての本学図書館がどう支援機能を発揮すべきなのか、また、今日求められている学内の「学習・教育の支援」と「研究支援」、さらに地域開放による「生涯学習支援」に対応して図書館機能を如何に構築していくか、本学図書館員と関係教職員一体となって検討と改善を続け、今日に至っている。

以下、本学図書館の特色、規模、主なコレクションなどについて簡略に述べてみたい。 開学以来43年。 この間、学部は経済・経営・現代政策・理学・薬学・短期大学の6学部に、短期大学を除く各学部に大学院研究科が上向付置され、それぞれの教育・研究に関る図書・雑誌が全て扱う対象となっている。 したがって、人文系・社会系から自然系にいたるまで多岐にわたる分野の蔵書構成が特色といえる。

次に規模とコレクションであるが、蔵書数は、図書38万冊、雑誌・電子ジャーナル(10,000誌)。 このうち数学図書の一部が理学部数学科図書室に分置されている。 ほかに、マイクロフィルム、CD/ROM等の電子資料、視聴覚資料としてのビデオ・DVD等を収集している。 主なコレクションとしては、化学・薬学系雑誌論文抄録ケミカル・アブストラクトは創刊(1907年)以来の全巻揃え、国際経済学者ゲルシェンクロン・コレクション(5,300冊)、ドイツの貨幣経済学者ラウム(1,800冊)、石田磯次文庫(労働経済問題・和書2,500冊、洋書1,100冊)、赤松要文庫、下條秀男文庫、野澤孝之助文庫、英国中世史コレクション、19世紀英国議会資料、などがある。

2008年8月、(財)統計研究会のご厚意により、国勢にかかわる明治中期以降現在に至る貴重な統計資料8,000冊余りを受贈し、閲覧に供すべく目下準備をすすめている。

最後に、検討中もしくは進行中の改善計画について触れたい。 本学図書館の学習環境の整備、学習・教育支援サービスに関わる「短期・中期計画」(2008-2013)としては、(1)学習の「場」としての「グループ学習室」の増設、(2)「シラバス・ルーム」「収蔵書庫」の拡充、(3)学内で生産された学術情報の蓄積・発信サービス体制の確立などが挙げられる。 いずれも広く学内外からの温かい理解と協力が期待されるところである。

(2008.8.17)